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WordPressのメリット・デメリットをしっかり理解してベストなCMSを選択しよう!

CMSの代表格と言えば、圧倒的な世界シェアを誇る「WordPress」です。

世界中のwebサイトのうち、2020年12月23日時点で39%がWordPressで構築されています。
Usage statistics of content management systems/W3Techsより
日本国内のCMS市場においてもシェア8割を超えているとも言われています。

これだけ多くのwebサイトで使われているのであれば「WordPressを導入しておけば問題ない」と思われる方もいるかと思いますが、メリットだけでなくデメリットも存在します。
今回は、WordPressの導入を検討されている方に向けて、メリットとデメリットを解説していきます。

WordPressをCMSとして導入するメリット

オープンソースなので無料で使える

以前の記事「CMSの種類とは?オープンソース型・パッケージ型・クラウド型について解説します!」でも解説しましたが、オープンソース型のCMSは「無料」で利用できます。
パッケージ型・クラウド型のCMSでは、初期費用やライセンス利用料などの費用がかかりますが、オープンソース型のCMSは無料で利用することができます。

ただし、webサイトの公開に必要なサーバやドメインを取得・維持するための費用は別途必要になります。

専門知識が無くても簡単にサイトを構築できる

webサイトを構築する際には、外観のデザインが必要になります。通常のwebサイト制作では、デザインとコーディングを行う必要がありますが、WordPressではデザインと機能がパッケージ化された「テーマ」というものが存在します。

テーマは世界中のデザイナーが作成・提供しており、無料から有料のものまで数多くのバリエーションが存在します。
このテーマを利用するだけで、デザインやコーディングをすることなく簡単にお気に入りのデザインでwebサイトを構築することができます。

テーマを選択してwebサイトの外観を用意した後も、Word感覚でページの作成や更新ができますので、HTMLやCSSの知識が無くても安心です。

Word感覚で編集できるWYSIWYGエディタ

また、webサイトを公開するにあたっては、サーバを用意してWordPressをインストールする必要がありますが、初めからWordPressがインストールされているプランや簡単にインストールできるツールを提供しているレンタルサーバ会社も多く存在します。

プラグインが豊富なため機能追加が容易

プラグインとはWordPress本体に機能を追加できるプログラムです。
公式のプラグインから世界中の開発者によって公開されているサードパーティー製のものまで、2020年12月時点で58,000個のプラグインが存在します。

例えば、

  • フォームを作成できるプラグイン
  • SEO対策のプラグイン
  • セキュリティを強化できるプラグイン
  • エディタ機能を拡張するためのプラグイン
  • 関連記事や人気記事を表示させるプラグイン
  • 記事内のリンク切れをチェックするプラグイン
  • SNSと自動連携できるプラグイン

などが存在します。

これらのプラグインはスマートフォンアプリのように、追加したいプラグインを管理画面から選択して簡単にインストールすることができます。
ただし、プラグインを多く使いすぎるとwebサイトの表示速度が遅くなったり、テーマや他のプラグインとの兼ね合いによってはwebサイトが崩れたりする場合がありますので注意が必要です。

デザインや機能のカスタマイズ性が高い

テーマやプラグインのおかげで、専門知識が無い方でも簡単にwebサイトを構築できるWordPressですが、世界中の多くのユーザに利用されている理由の一つにデザインや機能のカスタマイズ性の高さが挙げられます。初心者だけでなく上級者まで幅広いユーザに好まれているCMSです。

HTMLやCSS、PHP、WordPressの本体構造に関する知識があれば、デザインや機能を自由にカスタマイズできるため、既存のテーマやプラグインではできないデザイン(レイアウト)や機能を実現することができます。

利用者が多いためネット上の情報が豊富

世界中のWebサイトの約40%で利用されているWordPress。利用者が多いため、初心者向けから上級者向けまでのあらゆる情報がインターネット上に公開されています。

管理画面の使い方からプラグインの解説、各種カスタマイズ方法といった記事が多く存在しますので、分からないことは検索エンジンで検索すれば大半は解決策が見つかります。
WordPressは日本国内のシェアも高いため、他のオープンソースCMSに比べて日本語の情報が多く存在します。

ただし、解決策の中には専門知識が必要になったり、WordPressのバージョン違いによって解決が難しい場合もあります。

WordPressをCMSとして導入するデメリット

静的サイトに比べて表示速度が遅くなりがち

WordPressで構築したwebサイトは動的なwebサイトのため、静的なwebサイトに比べて表示速度が遅い傾向にあります。

動的なwebサイトとは、ブラウザからwebサイトのURLにアクセスする度にデータベースから必要なデータ呼び出してwebサーバ上にHTML等を生成してブラウザに表示させるwebサイトを指します。

静的なwebサイトとは、webサーバ上に完全なHTML等の実データが存在し、サーバ上のデータをそのままブラウザに表示させるwebサイトを指します。

動的なwebサイトの場合、URLにアクセスする度にページを生成するため、静的なwebサイトに比べてブラウザに表示されるまでの速度が遅くなる傾向があります。また、アクセスが集中してデータベースの負荷が高まると、さらに処理時間(表示されるまでの時間)が長くなります。プラグインの入れすぎにも注意が必要です。

そのため、webサイトの軽量化やキャッシュ系プラグインなどを利用した取り組みが必要になることもあります。

脆弱性を狙った攻撃の標的になりやすい

WordPressは世界的に導入率が高いがゆえに、ハッカーの標的になりやすいCMSだと言えます。
ハッキング被害のよくある例としては、管理画面への不正ログインによってwebサイトを改ざんされるケースです。

また、プログラムのソースコードが一般公開されているオープンソースであるため、脆弱性が見つけやすいという点もハッカーに狙われやすい理由に挙げられます。
ちなみに、ソフトウェア製品に関する脆弱性対策情報のデータベース「JVN iPedia」を使って“WordPress”と検索すると、2020年1月から12月までの間に143件の脆弱性情報の履歴が表示されます。

脆弱性とは?
プログラムの不具合や設計上のミスが原因となって発生した情報セキュリティ上の欠陥

JVN iPediaの検索結果

ハッカーからの攻撃を未然に防ぐためには、セキュリティ対策が欠かせません。

WordPress本体やプラグインを常に最新のバージョンにアップグレードする、管理画面へのログインパスワードを強化する、セキュリティ対策のプラグインを使用するなどの基本的なことだけでなく、より高度な対策を行う場合にはサーバ周りの高度な専門知識が必要になることもあります。

デザインや機能のカスタマイズには専門知識やスキルが必要

初心者でも簡単にwebサイトを構築できるWordPressですが、あくまで既存のテーマやプラグインを使った場合の話で、コーポレートサイトのように独自性のあるデザインやコンテンツを作成するとなると、HTMLやCSS、JavaScript、PHPといった専門知識、さらにはデザインセンスが必要になります。

また、ブログのように「見出し・テキスト・画像」で構成されたシンプルなレイアウトであれば、Word感覚で簡単にページの作成や更新ができますが、コーポレートサイトやブランディングサイトのようなクオリティの高いページの作成は、専門知識が必要になります。

クオリティの高いサイトを作るために、WordPressでのwebサイト構築をweb制作会社に依頼するケースも多いようですが、納品後に自分たちで更新できるページがブログや新着情報だけになってしまい、他のページを更新したい場合には有料になってしまったという話も耳にします。

オープンソースのため電話でのサポート窓口がない

WordPressでは電話でのサポート窓口は用意されていません。

メリットで挙げたように、WordPressは利用者が多いためネット上の情報が豊富です。分からないことがあれば、ネット検索で解決策を見つけることができます。 利用者同士で質問できるコミュニティーフォーラム(掲示板)も用意されています。
ただし、解決策の中には専門知識が必要になったりするケースや、不具合が起きて今すぐ解決したいケースにおいては、電話で直接質問できないのは初心者にとって辛いところです。

WordPressはSEOに強いのか?

WordPressのメリットとしてよく挙げられるのが「WordPressはSEOに強い」です。

これには、Googleの検索スパム対策チーム責任者であるマット・カッツ氏が、2009年の講演の中で下記のように述べたことが関係しています。

WordPress is a great choice.
WordPress automatically solves a ton of SEO issues.
WordPress takes care of 80-90% of Search Engine Optimization (SEO).

(日本語訳)
ワードプレスは、とてもよい選択と言えます。
何故かと言うと、ワードプレスは、SEOに関連する様々な課題を自動的に解決してくれるからです。
ワードプレスは、SEOの方法の80~90%に対応できるように設計されています。

「WordCamp San Francisco 2009」でのMatt Cutts氏の講演映像 3:11~の部分より

確かに、プラグインを使用することでメタタグやパンくずリストの設定、sitemap.xmlの生成と自動送信といった多くのSEO内部要因への対策が簡単にできます。

参考:WordPress初心者におすすめ!SEO対策プラングイン3選

ただし、あくまでこれはツールとしての評価です。

SEOの本質は「コンテンツの質」です。
いくらWordPressを使って内部要因が最適化されたwebサイトであっても、ユーザにとって有益なコンテンツ(内容)でなければ検索エンジンには評価されません。

WordPressはSEOに強いというのは、あくまで内部要因対策の環境が整っているということであり、検索エンジンが最も重視する「コンテンツの質」次第で評価は大きく変わってきます。

まとめ

メリット

  • オープンソースなので無料で使える
  • 専門知識が無くても簡単にサイトを構築できる
  • プラグインが豊富なため機能追加が容易
  • デザインや機能のカスタマイズ性が高い
  • 利用者が多いためネット上の情報が豊富

デメリット

  • 静的サイトに比べて表示速度が遅くなりがち
  • 脆弱性を狙った攻撃の標的になりやすい
  • デザインや機能のカスタマイズには専門知識が必要
  • オープンソースのため電話でのサポート窓口がない

テーマやプラグイン、Word感覚で編集できるWYSIWYGエディタ等により、初心者でも比較的簡単にWebサイトが構築できるWordPressですが、本格的なwebサイトを構築・運用するには専門的な知識やスキルが求められます。

現在もしくは今後、WordPressの導入を検討される際に参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

田村 奈優太
田村 奈優太事業開発部 次長
印刷会社の営業を経て、2008年にアーティスへ入社。webディレクターとして多くの大学・病院・企業のwebサイト構築・コンサルティングに携わる。2018年より事業開発部として新規サービスの企画立案・マーケティング・UI設計・開発に従事している。
資格:Google広告認定資格・Yahoo!プロモーション広告プロフェッショナル
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