初心者向けGoogleアナリティクス【第6回:コンバージョン分析 マルチチャネル】
初心者向けGoogle Analytics第6回目の今回は、コンバージョンの「マルチチャネル」について解説をしていきます。
マルチチャネルでわかること
コンバージョンに至ったユーザーの流入元(どこからサイトに訪問したユーザーなのか)は効果的なプロモーション施策を展開していくうえで、把握しておきたいデータです。
初心者向けGoogleアナリティクス【第4回:コンバージョン分析 その1】で解説した「目標設定」がされていれば、「集客>参照元/メディア」の項目でどの参照元からアクセスしたユーザーがどれだけコンバージョンに至ったかを確認できますが、以下のような過程でユーザーがサイトに訪問してコンバージョンしていた場合、コンバージョンに貢献した参照元が変わってきます。
先述した「集客>参照元/メディア」の項目では、最終的にコンバージョンのあった参照元からのコンバージョンとしてカウントされるため、上記過程の場合ブックマークからの流入を示す「(direct) / (none)」にコンバージョンがカウントされます。
しかし、プロモーションを実施する立場からするとコンバージョンの起点となった「オーガニック検索」がもたらした成果を評価すべきです。
マルチチャネルでは、このような直接コンバージョンに結び付いたチャネル(流入経路)以外の間接効果を測定することができます。
ちなみに上記のケースの場合、直接コンバージョンに結びついたチャネルは「ブラウザのブックマーク(お気に入り)」、間接効果のあったチャネルは「オーガニック検索2回」「リスティング広告1回」で、そのうちコンバージョンの起点となったチャネルが「オーガニック検索」となります。
マルチチャネルの確認方法
サマリー
マルチチャネルの概要が確認できます。項目について解説します。
コンバージョン数 | コンバージョンの獲得総数 |
---|---|
アシストコンバージョン数 | 2回以上の訪問で獲得したコンバージョン数 |
※ 「コンバージョン数」から「アシストコンバージョン数」を引くと、初回訪問で獲得したコンバージョン数を算出できます。
マルチチャネルのコンバージョン概要図は、「コンバージョン」と「アシストコンバージョン」訪問の際の来訪チャネルを、ベン図の形でチャネルの重なり具合を示したものです。
ベン図の重なっている部分にマウスオーバーすると、その割合を見ることができます。上の図では、オーガニック検索と有料検索の2種類のチャネルを経由して、コンバージョンを達成した割合は、3.3%ということがわかります。
アシストコンバージョン
終点でないチャネルをアシストコンバージョンとしてレポートします。アシストコンバージョン以外の項目について解説します。
アシストコンバージョン価値 | アシストコンバージョン数×目標値で算出する。値が大きいほど大きく貢献している。 |
---|---|
ラストクリックまたは直接のコンバージョン | コンバージョン数と同じ意味 |
ラストクリックまたは直接のコンバージョンの価値 | コンバージョン数×目標値で算出する。値が大きいほど大きく貢献している。 |
アシスト コンバージョン/ラスト クリックまたは直接のコンバージョン | 「アシストコンバージョン」÷「コンバージョン数」のことで、コンバージョン全体に対するアシストの割合 |
※ 目標値とは、コンバージョン1件に対しての対価(金額)のことで、「アナリティクス設定」から設定できます。
アシストコンバージョンの中でも、起点となったチャネルだけのレポートを表示させたい場合は、指標グループを「起点の分析」に切り替えます。
コンバージョン経路
このレポートから、コンバージョンに至るまでに、どのチャネルを利用したのか、何回のセッションがあったのかがわかります。
デフォルトの状態では経路の数が「2以上」と設定されています。すべての経路を見たい場合は、「経路の数」をクリックし、「すべて」を選択してください。
デフォルトで定義されているチャネルは以下の8種類です。
ディスプレイ | ディスプレイ広告(Webページの一部として埋め込まれて表示される広告)からの流入 |
---|---|
有料検索 | 検索結果に表示される広告からの流入 |
他の広告 | 有料検索を除くアフィリエイト等のその他の検索からの流入 |
オーガニック検索 | 有料広告を介さない検索エンジンからの流入 |
ソーシャルネットワーク | twitter、facebook, その他SNSからの流入 |
参照元サイト | ソーシャル ネットワーク以外のウェブサイトからの流入 |
メール | メール広告, 定期メルマガなどからの流入 |
ノーリファラー | ウェブサイトの URL をブラウザに入力したか、ブックマークからの流入 |
自身で分析したいチャネルを反映させた「カスタムチャネルグループ」を作成することも可能です。
オーガニック検索の検索キーワードを表示させる
さらに、セカンダリディメンションで「キーワードパス」を指定すると、オーガニック検索で訪問したユーザーの検索キーワードを表示することができます。
期間
初回訪問からコンバージョンまでの期間(日数)とそのコンバージョン数がわかります。
経路の数
コンバージョンに至るまで経ているか経路の数とそのコンバージョンがわかります。
経路の数「1」は、初回訪問で獲得したコンバージョンを表しています。
さいごに
今回は、コンバージョンに間接効果のあったチャネルを把握する「マルチチャンネル」について説明しました。
ユーザーがコンバージョンに至るまでの経路は様々です。直接コンバージョンに結び付いたチャネルだけでなく、間接効果のあったチャネルや起点となったチャネルを把握・分析することで、コンバージョン数を上げるための効果的なプロモーションへつなげることができます。マルチチャンネルの項目をスルーしていたのであれば、一度ぜひ確認してみてください。意外なチャネルがコンバージョンに貢献しているかもしれません。
次回は、アトリビューションについて解説します。
第2回:集客分析
第3回:行動分析
第4回:コンバージョン分析 目標設定
第5回:コンバージョン分析 eコマーストラッキング
第6回:コンバージョン分析 マルチチャネル
第7回:コンバージョン分析 アトリビューション
この記事を書いた人
- 創造性を最大限に発揮するとともに、インターネットに代表されるITを活用し、みんなの生活が便利で、豊かで、楽しいものになるようなサービスやコンテンツを考え、創り出し提供しています。
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