ユーザーエクスペリエンス(UX)を理解しよう。
「ユーザーエクスペリエンス(UX)」
Web制作・運用に携わる方であれば、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
「ユーザーエクスペリエンスってよく耳にするけど、いまいち理解できていない」「UXとUIって何が違うの?」「ユーザビリティとの違いは?」という方のために、UXの基本を理解していきましょう。
ユーザーエクスペリエンスとは?
UXとは、User Experienceの略語で、直訳すると「ユーザー体験」となります。
明確に定義することが難しいのですが、下記の引用にもあるように、一般的に「Webサイトのみならず、製品やサービスを通じて得られる体験の総称」を表す言葉として認知されています。
UXが重要視される理由
では、UXが重要視されるようになったのでしょうか?
その背景には、下記の3つが挙げられます。
1. 競合に勝つための差別化
あらゆる製品やサービスが飽和状態になっている現代社会において、ユーザーは単に機能や性能だけで選ぶのではなく、実現したいことを楽しく、心地よく実現できるかという体験に価値を求めるようなりました。そのため、製品やサービスを開発・提供する上で、UXが競合との差別化における重要なポイントとして注目されるようになりました。
2. デバイスの多様化
スマートフォンやタブレットなどモバイルデバイスの普及により、ユーザーとの接点が多様化しました。これにより、ユーザーがサービスを利用するあらゆるシーンや環境を想定し、常にユーザーが期待する以上の体験価値が必要とされるようになったからです。
3. 購入プロセスの変化
インターネットの普及後の購買行動プロセスを表すモデルとして「AISAS」が挙げられます。
「AIDMAとAISAS」の記事にも書いたように、AISASの大きな特徴はSearchとShareの部分です。
Searchは、Googleなどの検索サイトにおける検索行動を表し、辿りついたWebサイトにおけるUXは次のAction(行動・購買)へ遷移させる大きなポイントになります。
Shareは購入や利用後の製品・サービスについての感想をフィードバックし、情報として共有することを表し、ユーザーが期待する以上の体験を得ることができれば、その利用体験を共有されやすくなります。
このようにAISASにおいて、UXは重要な役割を持っています。
UIとUXの違い
UXと一緒によく登場するのがUIです。
UIとは、User Interfaceの略語です。Interfaceとは「接点・接触面」という意味ですので、ユーザーと製品やサービスを繋ぐ接触面を指します。
WebサイトやWebアプリケーションで言えば、パソコンやスマートフォンなど操作する画面に表示されるフォントやボタン、メニューといった、視覚でとらえることのできる情報全てが「UI」になります。
ユーザビリティとUXの違い
Webサイトに携わる方であれば馴染みのある言葉「ユーザビリティ」。
一般的には「使いやすさ」を意味する言葉として使われているケースが多いですが、国際標準化機構によるISO 9241-11では、下記のように定義されています。
じゃあ、UXとは何が違うの?という疑問を抱く方が多いかと思いますが、UXとユーザビリティは密接した関係にあるため重なる部分はありますが、ユーザビリティは「モノが持つ属性」であり、UXは「ユーザー側の属性」として切り分けることができます。
まとめ
UX(ユーザーエクスペリエンス)・・・製品やサービスを通じて得られる体験の総称(ユーザー側の属性)
UI(ユーザーインターフェイス)・・・ユーザーと製品やサービスを繋ぐ接触面
ユーザビリティ・・・・製品が持つ有効さ、効率、ユーザの満足度の度合い(モノが持つ属性)
それぞれの違いをご理解いただけましたでしょうか?
例えとして、3つの言葉を一緒に使うとしたら、
「ユーザビリティの高いUIを設計することは、UXを高めるための1つの手段である。」
こんな感じになるかと思います。
次回は、実際にUXの高いWebサイトを制作・運営する上で、理解していただきたいUXを構成する要素について解説していきます。
優れたユーザーエクスペリエンスを実現するためのUXハニカム(2016.6.17)
この記事を書いた人
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印刷会社の営業を経て、2008年にアーティスへ入社。webディレクターとして多くの大学・病院・企業のwebサイト構築・コンサルティングに携わる。2018年より事業開発部として新規サービスの企画立案・マーケティング・UI設計・開発に従事している。
資格:Google広告認定資格・Yahoo!プロモーション広告プロフェッショナル
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