海外サイト構築で注目するべき3つのポイント
2020年の東京オリンピックを前に海外の選手や旅行者を迎えるための事業が活発になっていることを日々感じます。Webサイトにおいても以前に比べ、多言語対応を重要とするお客様が多くなったように感じます。(以前は「◯◯語サイトはこのままでいいよ」なんてことも多かったのですが。)
そこで今回は多言語対応のサイト構築の際に注目するべきポイントをご紹介します。
URLの設定
海外サイトの構築で意外に気にされないURL構造。海外サイトの運営においてはURLからも検索エンジンやユーザーへ伝わることがたくさんあります。
まずは3種類のURL設定方法をご紹介します。
URL設定 | 例 | 解説 |
---|---|---|
国別 | 日本語サイト ・・・ example.jp 英語サイト ・・・・ example.us |
国別コードのドメインを取得して、言語ごとにドメインを設定する方法です。それぞれの国で国内向けサイトとして認識されます。 |
サブドメイン | 日本語サイト ・・・ example.com 英語サイト ・・・・ en.example.com |
ルートドメイン(example.com)の前に“●●.”がつくものがサブドメインです。ルートドメインに関連した別サイトとして認識されます。 |
サブディレクトリ | 日本語サイト ・・・ example.com 英語サイト ・・・・ example.com/en/ |
同じドメイン内の1ディレクトリ(カテゴリ)として他言語サイトを展開します。同じサイト内の情報として認識されます。 |
【国別】の設定は、国ごとのすみわけができメリットも大きいですが、複数のドメインやサーバーを用意するなど費用面での負担が大きいです。
【サブドメイン】【サブディレクトリ】の設定は、国ごとのすみわけはできませんが、設定の容易さや管理のしやすさから、どちらかの方法で設定されているサイトが多いです。
それぞれの使い分けとしては、サイトの規模や検索エンジンからの評価の取得方法・解析設定等によって選択するとよいでしょう。
また設定するサブドメイン・サブディレクトリ名称は、“en”(英語)“cn”(中国語)のように一般的に対応する言語がわかりやすい略称を使用することで、ユーザー自身がURLの一部を直接変更して母国語対応サイトを探すといった検索行動にも対応できます。
ユーザーに対する「使いやすさ」は、検索エンジンのクローラビリティを高めること(検索エンジンの情報収集ロボットであるクローラーが、サイト内データを取得しやすくすること)にも繋がりますので、SEOにも効果があるといえます。
この他にURLパラメータを使用したURLもありますが、検索にも対応しづらくメリット面が少ないためおすすめの方法とは言えません。
言語の選択方法
多言語サイトの言語選択方法は、大きく2種類あります。
1つ目は、多言語サイトへ誘導するボタンをユーザー自身に選択させる方法
2つ目は、ユーザーの利用環境により自動で判定する方法
結論から言いますと、1つ目のユーザー自身が選択できる方法で設定することをお薦めします。
自動で判定する場合その設定方法によっても異なりますが、ユーザーが希望する言語対応にならない場合があります。例えば、アメリカに住んでいる日本人が日本語でWebサイトの情報を見たいのに、PC環境が英語対応になっていると日本語で閲覧したいユーザーに英語のサイトを提供することになります。
このようにせっかく用意した多言語サイトが効果的に活用できない状況が生まれないためにも、ユーザー自身が意志をもって選択できる環境を整えることが大切です。
設置方法は、各言語のボタンを並べたり、プルダウンで選択させたりと言語の種類やスペースによって表現方法を選択するとよいです。
サイト内コンテンツの最適化
言語対応はしましょう
甘いお菓子を想像して口に入れたらしょっぱかったなんて経験はあるでしょうか。想像していたものと結果が異なると、始めからそうと分かっていたよりもがっかりすることがありますよね。それと同じで日本語のWebサイトだと思い閲覧している途中に英語のページが表示されてしまうようなユーザーが予想していた動きとは異なる結果がでると、ユーザーの閲覧意欲は大きく減少します。
なかでも対応を怠りがちな「お問い合わせ」などのフォームは、運用成果につながる大切なものです。フォーム画面はもちろん、お問い合わせ後に届くメール文面まできちんと対象言語に対応することで、ユーザーの興味関心を損なわずコンバージョンへと導くことができます。
検索エンジンから正しい評価を受け、適切にユーザーの誘導を行いましょう
現在のページに多言語に対応したページがある場合、その存在を適切に検索エンジンに伝えましょう。以下のような記述をページソース内に追記します。
<link rel=”alternate” hreflang=”国別コード” href=”他言語サイト対象ページURL” />
alternateとは、「代理・代わり」の意味を持つ英単語です。現在のページに代わるページ(ここでは他の言語のページ)が存在していることを伝えるための記述です。検索エンジンは「同じ内容を掲載した別々のページ(重複コンテンツ)」が存在するとマイナス評価をします。この記述を行うことで、同じ内容のページが存在する理由を伝えて、正しい評価を受けることにつながります。
ユーザーの検索行動においても効果的です。日本の団体の場合、日本語サイトは長く運用していて一定の評価を得ていることが多いため、海外ユーザーが検索した際にも日本語ページがヒットしてしまうケースがあります。この記述を追加することで、ユーザーが利用する言語のページへ的確に誘導することができます。
まとめ
《ポイント》
- サイトの規模や運用状況により、URL構造を決める
- サイト上での言語選択はユーザー自身で行えるようにする
- 他言語の共通コンテンツは設けず、それぞれの言語で完全に対応する
- 検索エンジンに他言語サイトの存在を伝え、ユーザーを適切に誘導する
海外サイトを運用しているがターゲットをうまくサイトに誘導できていない・直帰率が高いなど、問題を抱えている場合、コンテンツの拡充といった大規模な改善を行う前に、まずはこれらの基本項目が最適化されているかを確認してみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
- 創造性を最大限に発揮するとともに、インターネットに代表されるITを活用し、みんなの生活が便利で、豊かで、楽しいものになるようなサービスやコンテンツを考え、創り出し提供しています。
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