ChatGPTの『Code Interpreter』機能を使って、グラフを作成してみる
なにかと世間を騒がせてやまないChatGPTですが、日本時間の2023年7月7日に『Code Interpreter』という機能を、有料会員であるChatGPT Plusユーザー向けに公開しました。
これは、Pythonコードの実行機能やファイルのアップロード機能を追加するという拡張機能で、ChatGPTをより幅広く活用できるようになります。
しかし、普段ChatGPTを利用したことのない方々にとっては、そもそも「どうやって使うのか」、「何に使えばいいのか」といった疑問が沸くかと思います。
そのような方々に対して、活用の例を紹介しながらChatGPTの有用性を伝えていきたいと思います。
実際に使用してみた
『Code Interpreter』は数々のファイル形式に対応していますが、今回はCSVファイルを用いた処理について例を挙げさせていただきます。
『Code Interpreter』において、CSVファイルに関しては、以下のような処理をすることができます。
- データの基本的な統計情報(平均、中央値、標準偏差など)の取得
- 特定の列や行に関する情報の抽出
- データのフィルタリングやソート
- データの可視化(グラフやチャートの作成)
- データの変換や新しい列の追加
- その他、特定の分析や操作の要求に応じた処理
今回は一例として、
- データの基本的な統計情報(平均、中央値、標準偏差など)の取得
- データの可視化(グラフやチャートの作成)
- その他、特定の分析や操作の要求に応じた処理
を実践してみようかと思います。
せっかくなので、サンプルとして必要なデータも『Code Interpreter』を使って作ってみます。
Code interpreterを有効化する
作るにあたって、まずはChatGPTの設定から、
左下にあるアカウントのメニューから、『Settings & Beta』を選択しまして、
『Beta features』の『Code interpreter』を有効にすることで、
『Code Interpreter』を選択することが可能となります。
CSVファイル(サンプルデータ)を作成する
設定が終了しましたので、続いて以下のような文章を入力してCSVファイルを作成してもらいます。
CSVファイルを作成してください。
要件としては、以下の通りお願いします。
列の項目: 1 ~ 12 月(A列目は品目)
行の項目: りんご, みかん, バナナ
各セルの内容: ランダムに生成された数字(りんご、みかん行は1~1000の間、バナナ行は500~600の間)
すると、このような1年間の果物3品目の売り上げ表を作成することができました。
品目 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
りんご | 376 | 340 | 413 | 812 | 25 | 99 | 162 | 205 | 347 | 97 | 603 | 119 |
みかん | 690 | 25 | 615 | 727 | 814 | 73 | 74 | 658 | 527 | 552 | 979 | 314 |
バナナ | 587 | 549 | 566 | 528 | 559 | 555 | 524 | 510 | 501 | 559 | 562 | 576 |
グラフを作成する
さて、サンプルファイルが作成できたところで、ここからが本題となります。 まず、視覚的に分かりやすい「4. データの可視化(グラフやチャートの作成)」から行っていきます。
先程のサンプルファイル(CSV)をChatGPTに以下の文章と共にアップロードをします。
この果物の売り上げ表をグラフにしてください。
すると、以下のように返答がきます。
しかし、返答にもあるように、日本語のフォントに対応していないので、
このように実際に使用したいフォントをアップロードをすることで、下記のように日本語のフォントに対応させることもできます。
また、
りんごを赤色、みかんを橙色、バナナを黄色にしてグラフにしてください
のように伝えることで、細かいグラフの仕様を修正してもらうことも可能です。
また、これらのグラフ作成に関しては、エクセル等のソフトでも自動生成が可能ですが、 例えばエクセルでは自動生成ができないベン図なども、以下のように作成することができます。
以下のデータをベン図にしてください。
全体: 1から100までの数字
A: 2で割り切れる数字
B: 3で割り切れる数字
C: 5で割り切れる数字
さらに、統計情報の取得や情報の分析
次に、「1. データの基本的な統計情報(平均、中央値、標準偏差など)の取得」「6. その他、特定の分析や操作の要求に応じた処理」を試していきます。
先程のCSVファイルを使用しまして、
添付したCSVファイルの内容について、平均、中央値、標準偏差をまとめて、3品目の売り上げの解析を行い、それぞれの懸念点を考えてください。
と入力しますと、
以下が各品目の売り上げに関する統計情報です:
りんご:
平均: 約299.83
中央値: 272.5
標準偏差: 約232.45
みかん:
平均: 約504.00
中央値: 583.5
標準偏差: 約313.50
バナナ:
平均: 約548.00
中央値: 557.0
標準偏差: 約26.54
考察:
りんご: 4月に売り上げがピークに達しています。これは新しい収穫の季節や特定のイベントなどが関係している可能性があります。
一方、5月と6月の売り上げは非常に低くなっています。これは在庫が切れているか、品質が低下しているためかもしれません。
みかん: 11月に売り上げが最も高くなっています。これは、みかんの収穫の季節や冬の需要増加が関係している可能性があります。
2月と6月・7月の売り上げが低いことは、これらの月に供給が少なくなるか、需要が低下する可能性を示唆しています。
バナナ: 全体的に安定した売り上げを示していますが、少しの変動が見られます。これはバナナの供給や需要が一年を通して安定していることを示しています。
懸念点:
りんご: 5月と6月の売り上げの低下は、供給の問題や品質の低下が考えられます。これを解決するための戦略が必要です。
みかん: 2月と夏の売り上げの低下は、供給の問題や需要の変動が考えられます。これを改善するための方法を検討する必要があります。
バナナ: 特に大きな懸念点は見られませんが、少しの変動に対応するための戦略を検討することが役立つかもしれません。
以上のようにまとめ、解析、考察をおこなうことができました。
さいごに
例を挙げながら『Code Interpreter』の活用方法をご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。
『Code Interpreter』を活用することで、グラフ作成や数値の解析などの作業を、簡単な文章だけでChatGPTに作業してもらうことができました。
また、例に挙げたCSVファイルの他にも、パワーポイントや画像や動画ファイルなどの加工もすることができますので、一度触って何が出来るのかを確認してみて、自分なりの使い方を模索していくことも良いかと思われます。
ただし、完全なツールではないので、全ての作業を任せっきりということはまだできませんし、彼らの回答が全て正解ということはありません。回答については自分自身で確認と検証が必要です。 ChatGPTはあくまでツールということを理解し、良きパートナーとして活用しつつ、自らの判断と裁量も持ち続けることが大切です。
この記事を書いた人
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システムエンジニアへの夢をあきらめきれず、建築業界からIT業界へ転職。
アーティス入社後はフロントエンドエンジニアとして、webアプリケーションサービスの開発に従事している。趣味は、ラーメン屋巡り。
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