営業やディレクターに役立つ「クライアントの心をつかむための心理学」
今回は、クライアントとの商談や関係づくりに役立つ心理学に基づいたテクニックを紹介します。
クライアントとの親近感を深める
クライアントとの心の距離は縮めておいたほうが、相手の本音を聞き出しやすくなり、自分のペースで商談やプロジェクトを進行しやすくなります。まずは、クライアントとの距離縮める方法を紹介します。
単純接触効果 「接触回数を増やす」
人は、見知らぬ相手には冷淡な態度をとり、攻撃的になりやすい傾向があります。しかし、接触回数が増えれば増えるほど、相手に対する親近感や好感を覚えていきます。これは、直接会った場合だけでなく、電話やメールのやりとりも接触に含まれます。
商談やプロジェクトが思うように進まない場合でも、こまめに連絡をとり、接触回数を増やすことで、相手の態度に変化がみられるかもしれません。
バックトラッキング 「相手の言ったことを繰り返す」
バックトラッキングとは、オウム返しのように相手の言ったことをそのまま言葉で言い返すだけで、相手の潜在意識のなかに親密な感覚をつくり出すテクニックです。バックトラッキングを使用することによって、「言ったことを理解し、受け止めています。」ということが相手に伝わり、相手は「きちんと話を聞いてくれる人」と認識し、好感を持つようになります。
電話でのやりとりや商談の際に、相手の使った言葉を使い事実を繰り返したり、相手の話した内容を要約して確認したりして使うことで効果が期待できます。
返報性の法則 「相手より先に与える・行動する」
人は他人から何かをしてもらうと「お返しをしなくてはならない」と考えます。とくに先に与えたほうが、返報性の原理が強く働きます。
自分から相手に先に「与える」ことによって、相手は「何かがあった際にはお返しをする」といった感情になり、行動することで、関係が深まっていきます。先に丁寧な対応をしたり、ちょっとした無料のサービスをしたりすることで、関係が良好になり、契約のきっかけになることも考えられます。
提案時の説得力を高める
契約を獲得したいとき、また企画を提案するとき、説得力のある説明することが重要です。提案に説得力を持たせるためのテクニックを紹介します。
理由付け 「理由を明確にする」
何かを頼むときは、要求だけ伝えるのではなく理由を加えることで相手に引き受けてもらいやすくなります。これは、心理学者のエレン・ランガーが行なった実験で実証されています。被験者が、順番待ちのコピー機で、「急いでいるので」という理由を加えた場合は、要求のみを伝えた場合とに比べて、譲ってもらえる確率が上がったのです。人の脳は「なので」「だから」という接続詞に強く反応するようにできています。
クライアントに提案する企画書や、説得したいことがあるときは、意識して理由を明確に述べてみてください。
権威付け 「実績や評価を加える」
相手から信用・信頼してもらいたいときに、肩書きや第三者からの評価といった付加情報を付け加える手法です。「専門家」がコメントをするニュース番組や、「人気ナンバー1」「〇〇協会認定」といった表記など日常的に接することが多いテクニックです。
契約や受注につなげたい時に、会社やサービスにおける過去の実績や受賞歴などを紹介すると信頼を得やすくなります。
パーセンテージの表示 「割合を具体的な数値で示す」
数字は物事を具体的にし、わかりやすくする力があります。さらに、その数字にパーセンテージを加え、成功率や支持率などで高い確率を見せられると、未経験の出来事であればあるほど、人は安心感を抱きます。
(1) 20代の大半がスマートフォンを利用しています。
(2) 20代の92%がスマートフォンを利用しています。
20代がターゲットとなる新しいスマートフォンサービスを提案する場合、(2)のほうが説得力を増すことができます。
まとめ
<クライアントとの親近感を深めるテクニック>
- 単純接触効果 「接触回数を増やす」
- バックトラッキング 「相手の言ったことを繰り返す」
- 返報性の法則 「相手より先に与える・行動する」
<提案時の説得力を高めるテクニック>
- 理由付け 「理由を明確にする」
- 権威付け 「実績や評価を加える」
- パーセンテージの表示 「割合を具体的な数値で示す」
紹介したテクニックを用いて、クライアントとのより良い関係を築くヒントにしてみてください。
この記事を書いた人
- 創造性を最大限に発揮するとともに、インターネットに代表されるITを活用し、みんなの生活が便利で、豊かで、楽しいものになるようなサービスやコンテンツを考え、創り出し提供しています。
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