デザインから見る「歴史的景観と先進性を併せ持つ金沢」の魅力
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実際に開通後の金沢を訪れたところ、開通前に比べかなり賑わっており、外国人観光客の姿も目立ちました。
今、大きな盛り上がりを見せている金沢はどういった魅力のある街なのか、今回は建築デザインという視点からご紹介していきたと思います。
金沢とはどんな街?
石川県にある「金沢」は江戸時代から「加賀百万石」の城下町として栄え、現代においても日本三大名園のひとつ「兼六園」をはじめ、「ひがし茶屋街」や「金沢城」など歴史的景観の残る街として有名です。現在も中核市として北陸3県の中心的な都市としての機能も担っています。
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2013年夏頃の「ひがし茶屋街」
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2016年ゴールデンウィークの「ひがし茶屋街」
伝統と先進性を併せ持つ街
しかし現代に残る歴史的文化財のみで金沢は現在の盛り上がりを作ってきただけではありません。
歴史的景観と先進性を併せ持つ街として今もなお、金沢は進化を続けています。街中には古民家を改築した店舗等、伝統の中に先進性を取り入れた個性的なモダンな商業施設等も次々と生まれています。
こういった金沢の景観や建造物は世界的にも評価され、2009年にはユネスコの創造都市(参考:ユネスコ創造都市ネットワークとは? )に認定されました。これは国内では神戸市、名古屋市に続く3番目の都市であり、クラフト&フォークアート部門ではアジア初となります。
今回は、石川県内(金沢市・加賀市)にある創造都市を象徴する4つの建造物についてご紹介させて頂きます。
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めいてつエムザ 黒門小路
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八百萬本舗
金沢駅 鼓門
金沢駅東口を出ると現在の金沢駅の顔とも言える「鼓門」が迎えてくれます。
これは米の大手旅行雑誌「トラベル・レジャー」のウェブ版において、「世界で最も美しい駅14選」に国内唯一選ばれるという快挙を成し遂げました。
伝統芸能に使われる鼓をイメージしており、木材で組まれています。
駅構内も木材が使用されており、伝統と先進性を感じさせるデザインです。
参考:http://travel.biglobe.ne.jp/hokuriku/spot/kanazawa/spot01.html(BIGLOBE旅行)
21世紀美術館
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©金沢21世紀美術館 https://www.kanazawa21.jp/
世界的建築ユニット「SANAA(サナア)」が設計した美術館で、円形で総ガラス張りのデザインが特徴です。
この建物等によりSANAAはベネチア・ビエンナーレ国際建築展展示部門の最高賞である「金獅子賞」を受賞しています。
「スイミング・プール」というプールを見下ろすと中に人が立っているように見える展示物が有名です。
<所在地>
〒920-8509石川県金沢市広坂1-2-1
金沢海みらい図書館
米国ネットサイトの「世界の最も美しい公共図書館 ベスト25」や、米旅行ガイドサービスの「世界の魅力的な図書館ベスト20」等に選出された2011年にオープンした図書館です。
建物全体に小さな丸窓が設置されていることによって充分な光が差し込み、開放感のあるデザインになっています。
<所在地>〒920-0341 金沢市寺中町イ1番地1
加賀片山津温泉 総湯
2012年片山津温泉にオープンした大人一人440円で利用できる日帰り温泉。総湯(そうゆ)とは北陸地方での共同浴場の呼称です。
デザインはニューヨーク近代美術館(MoMA)の新館を手掛けた世界的建築家、谷口吉生。
外観はほとんどがガラス張りで出来ており、浴室や2階のカフェから柴山潟と白山連峰の眺望が楽しむことができ、地元の人々の憩いの場となっています。
金沢から少し離れた場所ですが、片山津温泉、山代温泉等の温泉地も石川県を観光地として支えてきた地域です。
<所在地>〒922-0412 石川県加賀市片山津温泉乙65番地2
さいごに
今回ご紹介した場所を巡ってみて、新幹線開通による一時的な集客ではなく、石川県全体で足を運びたくなるような魅力的な街並みを作っているように感じました。
石川県を訪れる際には景観や建造物のデザインにもぜひ注目してみてください。さらに旅を楽しめることと思います。
この記事を書いた人
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