Webサイトにある「よくある質問」の役割と設計方法について考える
今ではコンピュータやソフトウェアなどの分野だけでなく幅広い業種のWebサイトに用意されていますが、迅速なユーザーサポートを目指すその本質は変わっていません。
よくある質問に掲載する内容
そもそもWebサイトは、ユーザが必要とする情報を整理し辿りつけるように設計するので、「よくある質問」がなくても通常のコンテンツだけでユーザの疑問や悩みを解決できることが理想です。
しかし、掲載する情報の中には、特定の条件の場合にのみ必要な情報や例外的なケースも存在します。こういった情報が多い場合、通常のコンテンツ内にそれを併記することで、多くのユーザが必要とする一般的な情報が埋もれてしまい、ファインダビリティ(情報の見つけやすさ)を確保できなくなってしまいます。
そこで、一般的に多くのユーザが必要とする情報は通常のコンテンツ内に、例外的なケースは「よくある質問コンテンツ」に切り分けることで、ファインダビリティを確保します。
よくある質問ページの作成が一般的になり、当たり前の質問ばかりが掲載された「よくある質問」を目にすることがありますが、サイト全体の情報整理が難しくなるばかりか、「よくある質問」自体が情報を探しにくいコンテンツになってしまう恐れもあるため、掲載情報はしっかり検討することをおすすめします。
わかりやすく探しやすい掲載方法
サービス内容によっては、例外ケースをきちんと整理しても多くの情報掲載が必要になることもあります。
“ここなら見つかる”というよくある質問ページの持つ優位性を損なわないように掲載方法にも配慮が必要です。
<掲載方法その1> カテゴライズして掲載する
Webサイトの構築に関わった方や、アーティスのブログを読んでいただいている方ならご存知の事と思いますが、Webサイトを構築する際には、必要な情報を洗い出し、その情報をカテゴライズすることから始めます。バラバラの物を分類することでまとまりをもたせ、最小単位を少なくすることで探しやすくすることができます。
情報量が増えてしまった「よくある質問」もこれと同様に、情報をカテゴライズすることで、段階的に情報を探し見つけることができるというワケです。
参考例1:サービス内容によりカテゴリ分類
カテゴリ選択で質問例を掲載することで掲載情報も伝わりやすい。
参考例2:ユーザ区分によりカテゴリ分類
参考例3:タブとアンカーリンクを組み合わせて分類
<掲載方法その2> 検索機能を設ける
ユーザが抱える疑問の幅が広く、掲載するボリュームが多い場合は、検索窓を設けてユーザ自身がキーワードで検索できる機能を設ける方法があります。インターネットサービスやプロバイダ・携帯電話事業など「よくある質問」の起源となった業種・サービスではこの方法を取り入れているサイトが多いです。
検索機能は、Web操作に不慣れなユーザにとってはハードルが高い場合もあるので、自身のサイトの利用者に本当に必要かどうかもよく考えた上必要に応じて設置することをおすすめします。
検索窓以外にも絞り込み選択などで大量の質問から情報を絞り込む方法もありますが、適度な検索数に絞りこめるよう項目の検討が必要です。
<掲載方法その3> よく見られる質問・ランキングを掲載する
「よくある質問」の中でも多く見られているニーズの高い質問をピックアップして掲載します。
アクセス数の多い上位5つ程の質問をランキングとして表示することで、「よくある質問」に訪れたユーザをより効率的に誘導することができます。
必要に応じこれらの方法を組み合わせ、ユーザの利便性を高めていきましょう。
よくある質問への導線設計
掲載内容のところでお話ししたとおり「よくある質問」は特定条件などの例外ケースに対応するためのコンテンツですので、例外ではない一般的な情報がサイト内のどこかに掲載されているはずです。
通常コンテンツに設けられた関連情報の近くにリンクを設けることで、知りたいユーザがスムーズに情報へ辿り着ける環境が理想的です。
「よくある質問」の重要度はサイトごとに異なります。「よくある質問」もサイト内コンテンツの一つです。その重要度により、設置場所・方法を検討していくことも必要です。
利用者向けのサポートが必要な業種や業態のサイトでは、ユーザが見つけやすく、そして簡単に行き来できるよう、グローバルメニューやサイト上部のヘッダーエリアに掲載していくことでユーザ満足度を高めることができます。
さいごに
ここまで「よくある質問」の掲載手段について見てきましたが、「よくある質問」が必要以上によく見られることはやはり見過ごせない状況です。よくある質問のアクセス状況は、いまのユーザニーズを図るバロメーターでもあり、それを知ることでWebサイト改善の糸口になるのかもしれません。定期的によくある質問を見直し、常にユーザに寄り添うWebサイト環境を提供したいものです。
この記事を書いた人
- 創造性を最大限に発揮するとともに、インターネットに代表されるITを活用し、みんなの生活が便利で、豊かで、楽しいものになるようなサービスやコンテンツを考え、創り出し提供しています。
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