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病院サイトにおけるCMS導入時の注意点

名刺

弊社では多くの病院サイトリニューアルをお手伝いしていますが、院内で簡単に更新作業を行う事ができるCMS(※1)を提案・導入しており、その導入率はここ数年ずっと100%です。

病院サイトは更新頻度が高いですから、迅速な情報配信を実現できるCMSの導入は非常に大きなメリットがありますが、「どんなCMSを選べばいいのか」「どういった点について注意すればいいのか」というご相談をよくいただきます。

今回のコラムでは病院サイトにおけるCMS導入時の注意点についてまとめたいと思います。

※1 Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)の略称で、専門知識がなくてもブログ感覚でWebサイトの作成・編集ができるホームページ簡単更新システムです。CMSに関する詳しい内容は、下記のページで紹介しています。

今さら聞けない「CMSってなに?」:CMS導入のメリット・デメリットをしっかり理解しよう!

CMSはウェブ制作会社によって機能も使い勝手も違う

「当たり前でしょ・・・」と思われるかもしれませんが、様々な病院様に伺うとCMSというシステムはすべて同じものと認識されている方が思いのほか多くいらっしゃいます。
CMSとは総称であり、それぞれのウェブ制作会社が提案するCMSはまったくの別物ですから、当然機能や使い勝手も異なります。その認識を持って頂く事からCMSの選定はスタートします。

自由度の高いCMSは要注意

ページレイアウトの自由度が高く、様々な機能が付いているCMSは一見良いように思えますが、実はそこに落とし穴があります。

多くの病院サイトの場合、CMSを導入すると「病院概要」「診療科」「採用情報」など情報の分類別に担当者を決め、複数人で更新作業を行うようになります。

あまりに自由度の高いCMSですと、更新者によって様々なレイアウト、装飾のページが出来上がってしまいサイト全体の統一感が取れなくなってしまうケースがあります。

実際に相談を受けた病院様ではページごとのタイトルの色、デザイン、画像の大きさ、文字のフォントやサイズなどがバラバラになってしまい、ユーザーにとって非常に見づらいサイトになっていました。

更新者のスキルアップやページ作成ルールの徹底という手もありますが、統一したデザインや使い勝手を保つために、ある程度機能やレイアウトに制限を設けているCMSをお選び頂いた方が良いと思います。

更新者は増えることが多い

CMS導入当初は数人だった更新者が、慣れてくるとどんどん増えていく傾向にあります。
つい最近ですが、診療科ごとに更新者を設定し、情報を配信していこうとされている病院様がいらっしゃいました。そうなると一気に十数人増える事になります。

しかし、CMSによっては更新者の数に上限があったり、更新者の人数に応じた料金設定になっているなど、更新者が増えれば増えるほど費用が上がってしまうものもあります。

CMSを導入した後、更新者が増えるという事も想定し、更新者が増えても費用が変わらないCMSを選定されるのが望ましいです。

CMSのデモンストレーションは必ず確認する

弊社ではお客様にCMSを提案する際、必ずデモンストレーションを行っています。
ウェブ制作会社によって提案するCMSは全然違うわけですから、じっくり見ていただかないと比較ができないと考えているからです。

ただ病院様から「はじめてデモンストレーション見ました」と良く言われます。他のウェブ制作会社からは「CMS提案できます」とだけ言われるそうです。

CMSは機能はもちろんCMS自体の操作感や使い勝手も非常に重要です。

専門的な単語が使われていないか、直感的な操作が可能か、出来上がったページの使い勝手はどうか、そういったものを確認するためにはデモンストレーションを見るしかありません。

機能の羅列や管理画面のキャプチャだけでなく実際に操作している画面、出来上がったページを見て判断しましょう。

CMSデモで確認すべきポイント

では、具体的にCMSデモはどんな点に注目すればよいのでしょうか?
確認すべきポイントをいくつかご紹介します。

直感的な操作で完了することができるか?

CMSはwebサイト全体を管理するシステムですので、ページを作成・編集する際に1画面の操作で完了することはなく、様々なリンクから複数画面を遷移することになります。

次の操作に移る際、どのリンクから何をすればよいかが直感的にわかるCMSを選ぶようにしましょう。

表組みは簡単に作成できるか、スマートフォンでの表示はどうか?

CMSで差が出やすいのが表組み機能です。

病院サイトでは外来担当医表や休診表、スタッフの経歴、診療実績、講演やセミナーの案内など、表組みを利用するケースがとても多いので「どうやって表組を作成するのか」「PCやスマートフォンで実際にどう表示されるのか」をしっかり確認しておきましょう。

表組み機能だけでも、枠内文字の装飾や画像挿入、列幅指定、枠の結合など様々な機能をもったCMSがあります。

なかにはExcelからインポートできる機能をもったCMSもありますので、詳細に確認しておきましょう。

更新反映方法や機能は?

更新した内容を公開サイトに反映する方法も、CMSによって様々です。修正後すぐサイトに反映されるCMSもあれば、決められた時間に自動的に反映されるCMSもあります。

また、公開又はクローズ時間を任意で決めることができる予約機能や、第三者の許可を得てから公開処理を行う承認機能を有するCMSもあります。

病院サイトの運用体制を考慮しつつ、どのような公開手順・機能が必要かを検討した上でCMSデモを確認するようにしましょう。

アクセシビリティ(※2)への配慮はどうか?

病院サイトには様々な閲覧状況、身体状況のユーザーが訪れますので、アクセシビリティ※2への配慮が必要です。

具体的な配慮例としては下記のような事項が挙げられます。

  • 重複したページタイトルを使用しない
  • 全角スペースを使用しない
  • 全角英数や半角カナ文字を使用しない
  • 画像にはalt属性を設定する(イメージ画像は除く)

CMSによってはアクセシビリティを損なわないようにチェック機能が備わっているものもありますので、CMSデモの際には確認するようにしましょう。

※2
アクセシビリティは、英語では“Accessibility”で、「近づきやすさ」、「利用のしやすさ」、「便利であること」などと訳されています。
一般的には、「利用者が機器・サービスを円滑に利用できること」という場合に使われています。
いま、高齢者や障害の有無などにかかわらず、すべての人が容易に開かれた情報通信の世界へアクセスできる「情報通信アクセシビリティ」が求められています。
情報通信アクセス協議会ウェブサイトより

まとめ

  • CMSとは総称であり、提案する制作会社によって種類が異なる。当然機能や使い勝手も異なる。
  • 自由度の高いCMSの場合、更新者によって様々なレイアウト、装飾のページが出来上がってしまいサイト全体の統一感が取れなくなってしまう可能性がある。
  • 更新者が増えるという事も想定し、更新者が増えても費用が変わらないCMSを選定した方が良い。
  • 実際の管理画面操作を見ることで操作感や使い勝手を理解することが重要。
  • CMSデモで確認すべきポイントは「直感的な操作」「表組機能」「更新反映方法・機能」「アクセシビリティへの配慮」

この記事を書いた人

鈴木 良直
鈴木 良直ソリューション事業部 部長
大学卒業後、バンド活動を経て2003年にアーティスへ入社。
営業兼コンサルタントとして、これまで携わってきたWebサイトは500サイト以上、担当したクライアント数は300社以上にのぼる。
現在は、豊富な経験を活かした提案を行いながら、ソリューション事業部 部長として事業戦略の勘案や後進育成にも取り組んでいる。
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