LPIC300を受験して分かったこと(受験方法・試験内容・勉強方法)
どうにか合格できたので試験内容や対策を紹介します。
LPICとは?
LPICとは、LPI (Linux Professional Institute) によって運営されているLinux技術者認定資格のことです。
「Linux Professional Institute Certification」の略称では「エルピック」と発音します。
LPICはベンダーやメーカーに依存しないベンダーニュートラルな資格であり、世界規模で実施されています。
企業の新入社員研修などでも利用されているようです。
LPIの本部はカナダのトロントにあり、実際にLPICの認定書はカナダから送られてきました。
日本での運営は、LPI-Japanが行っています。
LPICの3つのレベルと受験方法
試験は世界最大の試験・認定サービスを提供しているピアソンVUEで配信されており、コンピューターベーステスト(CBT)で試験時間は90分です。
マウスでの選択方式の他にキーボードでの入力問題も出題されます。
LPICには3つのレベルがありそれぞれのレベルを取得するには条件が存在します。
以下に各レベルの内容と受験方法を簡単に記載します。 詳細はリンク先を参照してください。
LPICレベル1「Linuxシステムの構築、運用・保守」
実務で必要になるLinuxの基本操作とシステム管理が行えることを証明できます。
認定条件 | 101試験、102試験の両方合格で認定 |
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受験料 | 1試験:15,000円(税別) |
LPICレベル2「Linuxサーバやネットワークを含むシステムの構築・運用・保守」
Linuxのシステムデザイン、ネットワーク構築において、企画、導入、維持、トラブルシューティング、キャパシティプランニングができるエンジニアであることを証明できます。
認定条件 | 有意なレベル1を保有している状態で201試験、202試験の両方合格で認定 |
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受験料 | 1試験:15,000円(税別) |
LPICレベル3「各分野の最高レベルの技術力を持つ専門家」
レベル3はレベル1・2と異なり、3つの分野が存在します。
Mixed Environment
(300試験)
Linux、Windows、Unixが混在するシステムの設計、構築、運用・保守ができるエキスパートエンジニアであることを証明できます。
Security
(303試験)
セキュリティレベルの高いコンピュータシステムの設計、構築、運用・保守ができるエキスパートエンジニアであることを証明できます。
Virtualization & High Availability
304試験
クラウドコンピューティングシステム(クラウド)の設計、構築、運用・保守ができるエキスパートエンジニアであることを証明できます。
認定条件 | 有意なレベル2を保有している状態でどれか1つの試験に合格すると認定 |
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受験料 | 1試験:30,000円(税別) |
今回は約5年前に取得したレベル2の有意性の期限が切れそうだったので受験を決意しました。
レベル3のどの試験を受けるか迷ったのですが、日々の業務で多少なじみがあり認定教材が整っている300試験を選びました。
ちなみにアーティスでは資格受験料の補助制度があるので、1発で合格すれば費用負担が抑えられます。
受験方法
受験するには予約が必要になります。予約方法はこちらをご覧ください。
受験予約する前にEDUCO-ID(LPI-ID)とピアソンVUEのアカウント作成が必要です。
※ここで作ったアカウントはずっと使うので忘れないようにしましょう。
受験できる最寄りのテストセンターはこちらから探せます。
LPICの勉強方法
今回はLPIC300の受験なので公式サイトにある認定教材「Ping-t 最強WEB問題集LPIC Lv3-300」を利用して勉強しました。
(※ちなみにレベル1、2の時もPing-t.comにお世話になりました。)
いきなりWEB問題集を解いていくと不正解だらけで心が折れてします。
これを防ぐために事前に「Linux教科書 LPICレベル3 300試験」通称「あずき本」を一通り読んで、試験範囲確認と各章の問題を解いてから「最強WEB問題集LPIC Lv3-300」に取り組みました。
※巻末の模擬試験は後にとっておきます。
あずき本を一通り解いたのち、「最強WEB問題集LPIC Lv3-300」の分野ごとに、まずは全て「銅」にしながら問題の解説を読み込みます。さらに簡単に実施できそうなコマンドは、実際のLinux環境で試して挙動を確認します。
また、できる範囲で混在環境も構築してみます。
次にもう一度「最強WEB問題集LPIC Lv3-300」の分野ごとに問題を解き、すべて「銀」になるまで行います。
次は全分野を選択してすべてが「金」になるまで問題を解き続けます。
全てが「金」になったら、記述問題対策のためにPing-tのもう一つのプレミアムコンテンツ「コマ問プレミアムLPIC Lv3-300」を分野ごとに解答し、全体を2周しました。
記述問題はなかなか解けず2周するのに時間がかかりました。
ここまでやったらあとは問題集の模擬試験を1日1回行い、正答率90%以上が10回続くまで繰り返しました。
最後にあずき本の巻末の模擬試験を行い、選択肢の問題と記述の問題が混じった試験の対策を行いました。
今振り返ってみると、ちょっとやりすぎだった気もします。
勉強期間は育児の都合もあり1日1時間程度で3ヶ月を目途にしていましたが、途中で家族全員病気になったり、Switchを入手してゲームに浮気したりして結局半年くらいだらだらやっていました。
多分レベル2取得直後で集中して行えば、1ヶ月くらいで取得できるかもしれません。。。
実際にLPIC300を受験
試験開始前はかなりビビッてましたが、受験した感想として昔に受けたレベル2よりは簡単でした。
案外素直な設問が多く問題文を読んで意味が分かるものであれば回答に悩むということはほぼありませんでした。
若干不安な設問もありましたが、設問に印をつけて後で見直しできる機能があるので印をつけておきました。
問題文を読んでも意味が分からないものは、勉強で使用したあずき本やPing-tでも見たことが無い内容だったと思います。
記述問題も多かったのですが、コマ問プレミアムほど長いコマンドを記述させられることもなく、ほとんど「コマンドのみ」か「オプションのみ」の入力を求められたので自信をもって回答ができました。
60問解き終わって印がついていた問題が15問という状態でした。この時点での所要時間は30分弱です。
最後にもう一度印がついた問題を見直して試験を終了させました。
結果は、590点で合格!
合格最低点が500点で満点が800点なのであまりいい点数ではなかったのですが、 今回自分が出題された問題からすれば妥当な得点かと思います。
受験料の高さで絶対に落とせないプレッシャーがあり、Ping-tをやりこんだのが合格につながったと思います。
さいごに
実際のところLPICを取得してもすぐに実務に結びつくわけではありません。
しかし初学者がLinuxを基礎から順番に学んでいくには向いていると思います。
また自分のように独学でLinuxを学んで来たユーザがLinuxについて学び直すにはちょうどいい資格だと思います。
受験料が高いのが難点ですが。。。
それとLPICの今後ですが、先日LPI-Japanが新しい資格「LinuC(リナック)」を発表しました。
LPICも存続するようですが、今後はLPICに変わりLinuCが日本ではメジャーになっていくかもしれませんね。
なみに、2018年8月31日までLPIC認定者向け優待として、有意なLPIC認定者は自己申告をすればLPICの受験履歴や認定履歴がLinuCに引き継がれ、LinuCの認定を取得することできるそうです!
参考:LPIC認定者様向け「LinuC認定取得優待プログラム」
2018年8月31日までに取得するとお得です。
この記事を書いた人
- 創造性を最大限に発揮するとともに、インターネットに代表されるITを活用し、みんなの生活が便利で、豊かで、楽しいものになるようなサービスやコンテンツを考え、創り出し提供しています。
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