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医療機関ウェブサイト広告規制 ~ネットパトロールの成果は?~

以前の記事「医療機関ウェブサイトのネットパットロール開始、一般者からの通報も受付」にて、医療機関ウェブサイトへのネットパトロールや一般者からの通報受付開始について紹介しましたが、2018年12月20日に行われた「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」で、ネットパトール事業の経過報告がありましたので紹介します。

ネットパトール事業について

ネットパトール事業を簡単にまとめると以下のような流れで業務が行われています。


1)一般者からの通報や検索エンジンでのキーワード検索を行い、審査対象サイトを洗い出す

2)ネットパトロール委託業者及び医師や弁護士等の専門家で構成される評価委員会にて審査を行う

3)違反の疑いがあるサイトを運営する医療機関に対し、ネットパトロール委託業者より改善通知を発出

4)改善が認められない場合、該当する医療機関を所轄する自治体に情報提供を実施


平成30年度は50,602,000円の予算が与えられ、一般通報サイトの運営や審査、通知業務が行われています。
厚生労働省でも公式Twitter (フォロワー数は約50万人)で、ネットパトロールの通報先の周知を実施しています。

平成30年(4月~9月)のネットパトール事業経過

審査対象サイト数

約半年間の間に一般ユーザーからの通報数は3,855件で、重複や医療広告に関連しない通報を除くと、審査対象サイト数は995件となりました。さらに、ネットパトロール業者によるキーワード検索での検知が142件で、一般通報(995件)とキーワード検索(142件)を合わせた審査対象サイト数は1,137件という結果になりました。

月別の一般ユーザーからの通報数は、医療法が改正された2018年6月が最も多く1,364件(重複含む)、7月以降はだんだんと減少し、2018年9月は435件となりました。
ユーザーの興味関心が薄れた可能性もありますが、医療法改正以降、医療機関サイトの改善が行われていることも考えられます。

審査対象サイトの内訳

審査対象サイト数1,137件の内訳は以下の通りです。

美容関係 238件
歯科 599件
癌関係 123件
その他(眼科、内科、整形外科、泌尿器科等) 177件

美容関係よりも歯科の方が、倍以上通報が多いという結果になりました。
美容関係は医療法改正の発端となった業界のため、医療法改正の内容を熟知し、事前に改善を行っていたと考えられます。逆に歯科については、医療法改正への意識が低く、改善を怠っていたと推測されます。

医療機関への通知及び対応状況

審査対象サイト数1,137件についてネットパトロール業者及び評価委員会による審査が行われ、292件が違反の疑いがあると認定されました。

2018年9月30日時点で、上記の違反疑い292件を含む541件の医療機関に改善通知が出され、そのうち375件が修正や広告中止による改善を確認、126件が対応中、39件が1か月以上未対応という結果となりました。

また、長期間改善が認められず、対象の医療機関を所轄する自治体に通知した例が1件ありました。

今後の取り組み強化について

「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」では、ネットパトロール事業の結果報告だけでなく、今後の取り組み強化についても話し合いが行われました。

ネットパトロール事業の予算増額

平成31年度の予算は、平成30年度予算のおおよそ1.5倍にあたる74,045,000円で、監視指導体制の強化が計画されています。

自治体間での判断・解釈等、指導内容を統一

医療法改正後、各自治体での個別判断事例が増加しており、自治体ごとに指導内容が異なる状況が続いています。

厚生労働省と自治体が連携し、医療関係団体や業界団体と意見交換しながら、自治体間での判断・解釈等、指導内容を全国で統一するような仕組みを構築していくとしています。

さいごに

まだまだ件数は少ないですが、着実にネットパトール事業の成果が表れています。

今後も医療機関サイトへの監視指導体制が強化される予定ですので、医療機関関係者の方は、改めて医療法改正について確認していただき、広告規制に触れる場合は、通知が来る前に改善しておきましょう。

この記事を書いた人

鈴木 良直
鈴木 良直ソリューション事業部 部長
大学卒業後、バンド活動を経て2003年にアーティスへ入社。
営業兼コンサルタントとして、これまで携わってきたWebサイトは500サイト以上、担当したクライアント数は300社以上にのぼる。
現在は、豊富な経験を活かした提案を行いながら、ソリューション事業部 部長として事業戦略の勘案や後進育成にも取り組んでいる。
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