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医療機関で実際に行われているSDGsの取り組み事例(SDGs 目標11~17)

医療機関で実際に行われているSDGsの取り組みをSDGs17の目標別にご紹介いたします。
前回は、目標1~10の事例をご紹介しました。下記からご確認ください。

今回は、目標11~17の事例をご紹介します。

目標11 住み続けられるまちづくりを

国連の目標:都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする

院内の整備だけでなく、周辺地域の整備や住宅改修などを通じて「住みつづけられる環境作り」の支援をしている病院がありました。

通勤時にゴミ拾い活動を/都城を花いっぱいに(橘会橘病院)

橘病院が中心となって活動しております「花のあるまちづくり運動」が宮崎日日新聞に掲載されました。橘病院は楽しい都城市づくりを応援しています。SDGsの達成に向けた当院の取り組み|医療法人社団橘会橘病院(公式ホームページ)|宮崎県都城市

災害時拠点機能の整備(白十字会グループ)

白十字病院では、災害時に多くの患者さんを受け入れるための大規模なトリアージスペースの確保や臨時処置室や病室に転用可能なホールを備えています。隣接する公園には、釡戸として利用できるベンチ、仮設テントとして利用できる東屋、トイレとして利用できるマンホールを設置しています。また立体駐車場は、水害時には地域の方々が一時避難場所として利用できるようにしています。11 住み続けられるまちづくりを - いつまでも住み続けられるまちづくりを-白十字会グループのSDGs-

目標12 つくる責任つかう責任

国連の目標:持続可能な消費と生産のパターンを確保する

病院食などのフードロス対策や医療材料のコストダウン、適切な廃棄への取り組みが挙げられていました。

食品廃棄削減(白十字会グループ)

病院・施設で提供する食事に対して定期的に残菜調査や提供メニュー・提供量の見直しを行い、フードロス対策に努めています。12 つくる責任 つかう責任 - いつまでも住み続けられるまちづくりを-白十字会グループのSDGs-

医療材料期限切れ届の提出(白十字会グループ)

医療材料が期限切れになった際は、材料の、購入年月日・使用期限・定価・期限切れになってしまった要因・対策を届け出るルールを設けています。現場で材料廃棄理由等を把握してもらう事で、部署在庫の見直しを行い、材料廃棄の削減に努めています。12 つくる責任 つかう責任 - いつまでも住み続けられるまちづくりを-白十字会グループのSDGs-

目標13 気候変動に具体的な対策を

国連の目標:気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

省エネルギーの活用やCO2削減への取り組みを挙げている病院が多かったです。

省エネ対策(東京逓信病院)

病院全体として、ペーパーレス化に取り組んでいます。 廊下や事務室の一部を消灯し、節電に努めています。SDGs達成に向けた取り組み - 東京逓信病院

災害訓練・災害現場派遣(白十字会グループ)

地域で大規模な災害が発生したことを想定し、災害訓練を定期的に実施しています。訓練は、計画・実施・評価・改善のサイクルのもと行い、その都度、見直し・改善に努めています。また、国内で発生した大規模災害の復興支援には有志を募り、人員を派遣しています。13 気候変動に具体的な対策を - いつまでも住み続けられるまちづくりを-白十字会グループのSDGs-

目標14 海の豊かさを守ろう

国連の目標:海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する

「海の豊かさを守ろう」は、他の目標に比べて取り組み事例は多くありませんでしたが、プラスチックごみの削減や廃棄方法の工夫を挙げている病院がありました。

プラスチックごみの削減(横須賀市立うわまち病院)

プラスチックごみの削減に寄与するために、院内で使用しているディスポーザブルガウンのリユースガウンへの切り替えを行っています。リユースガウンは生地にプラスチックを使用していないため、ディスポーザブルガウンに比べ使用する プラスチック使用料削減、ゴミ排出量の削減に寄与しています。また、入院食とともに提供する飲料には海中と土中で水と二酸化炭素に生分解されるECOストロー付き飲料を利用するなど、当院では環境にやさしい資源の活用を行っています。うわまち病院のSDGsへの取り組み - 横須賀市立うわまち病院

目標15 陸の豊かさも守ろう

国連の目標:陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、
砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る

「陸の豊かさも守ろう」については、森林を守るための取り組みが多く見られました。

再生紙の使用(帯山中央病院)

ペーパータオル、トイレットペーパーは、再生紙を使用しています。SDGs | 医療法人 祐基会 帯山中央病院

敷地内庭園による緑化の取り組み(高野病院)

当院の建物はくまもとアートポリス事業に参加しており、同事業のコンセプト「自然に開き、人と和(わ)す」を実践すべく、正面玄関前の庭園をはじめ建物内のテラスや窓辺にもガーデンコーナーを設けるなど緑豊かな病院作りに努めています。SDGsへの取り組み|高野病院

目標16 平和と公正を全ての人に

国連の目標:持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、
あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する

「コンプライアンスの遵守」や「ハラスメントに対する相談窓口の設置」に関する取り組みを挙げている病院が多くありました。

日本郵政グループの企業立病院として、全職員を対象とした研修やコンプライアンスに関するテストを実施し、コンプライアンスの遵守に努めています。

ハラスメントに対して相談窓口を設置し、いつでも相談できる体制を整えています。

虐待防止委員会を設置し、小児や高齢者だけでなく虐待が疑われる全ての患者さんに対応しています。

SDGs達成に向けた取り組み - 東京逓信病院

目標17 パートナーシップで目標を達成しよう

国連の目標:持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

地域や行政との連携についての取り組みが挙げられていました。

地域医療連携の推進(横須賀市立うわまち病院)

当院は地域医療連携の推進に力を入れています。地域医療連携とは、地域の中で個々に役割・機能をもった医療機関が連携することで、患者さんが切れ目のない医療を受けることができる仕組みのことです。病院理念に掲げている「私たちは、優しい心、深い知識、高い技術をもって安全に配慮した、良質な医療を提供し、地域社会に貢献します。」のもと、近隣病院、地域の診療所(かかりつけ医等)、在宅支援診療所等と連携し、市民からのニーズに応え、安心安全な医療を継続的に提供してまいります。うわまち病院のSDGsへの取り組み - 横須賀市立うわまち病院

まとめ

いかがでしょうか?医療機関で実際に行われているSDGsの取り組みを17の目標別にご紹介いたしました。

既に行っている取り組みも多かったのではないでしょうか?サステナビリティ、SDGsに対する関心はこれからも高まっていくと思います。
取り組みをアピールすることで、医療機関としての存在価値やブランドイメージを向上、組織内の団結力の強化といった効果も期待できます。ぜひ今回の記事を参考に取り組みの内容を考えてみてください。

この記事を書いた人

佐藤 美南
佐藤 美南ソリューション事業部 webディレクター
高校時代に1年間のメキシコ留学経験を経て、関東の大学で国際文化と多言語について学ぶ。アーティスへwebディレクターとして入社後は、webユーザビリティを学びながら大学・病院サイトを始め、コーポレートサイトのディレクション・企画業務に携わっている。
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