SEOの歴史とこれからの検索エンジンマーケティング「ユーザーファーストの時代へ」
同時に、Webサイト運営者も検索エンジンでの上位表示が求められ、皆さんのWebサイトでもSEOに取り組まれているかと思います。
今回は、検索エンジンとSEOの歴史や変革を振り返りながら、検索エンジンマーケティングにおいてこれから私たちが取り組まなければならないことについて考えてみたいと思います。
INDEX
1996年 Yahoo!JAPAN「ディレクトリ型検索エンジン」開始
インターネット創設期のこの頃、検索エンジンサービスというものが広く認知されるようになったきっかけとなったのが「Yahoo!JAPAN」の登場です。
当時の検索エンジンは「ディレクトリ型」と呼ばれるもので、Webサイトのリンクを分野別に手動で分類したリンク集のようなポータルサイトを形成していました。ユーザーはポータルサイトからカテゴリーを選択し、階層構造を辿りながら目的に合ったWebサイトを見つけます。
また、ポータルサイトにWebサイトのリンクを表示させるには、あらかじめ登録と審査が必要でした。
1998年 Yahoo!JAPAN「ロボット型検索エンジン」採用
Yahoo!JAPANのサービスインから2年後、ディレクトリ型と合わせて「ロボット型検索エンジン」を採用します。
ロボット型検索エンジンとは、現在もYahoo!やGoogleなどの大手検索エンジンで利用されている情報検索システムで、インターネット上にあるWebページのデータをクローラーと呼ばれるロボットが収集・保存し、ユーザーが検索したキーワードを元に関連するWebページを独自の評価要因(アルゴリズム)に基づいてランキングし、結果を表示させる仕組みです。
当時のロボット型検索エンジンは、キーワードの出現率といった単純な指標に基づいてランキングしていました。そのため、検索エンジンで上位ヒットさせたいサイト運営者は、コンテンツにいかに多くのキーワードを埋め込むかなどの小手先のテクニックを用いてSEOを行っていました。
<主な評価要因>
- ページの中にキーワードがいくつ含まれているか
- サイトのページ数はどのくらいあるのか
- HTMLの最適化が出来ているのか
<当時流行っていたSEO>
- metaタグにキーワードを詰め込む
- alt属性にキーワードを無理やり盛り込む
- 隠しキーワードを盛り込む
- むやみにwebページを大量生産する
2000年 Google日本語版誕生 「PageRank」アルゴリズムの登場
2000年になるとGoogleが日本に上陸し、「PageRank(ページランク)」と呼ばれる新しいアルゴリズムが登場します。
PageRankとは、「リンクがより多く集まっているページはより重要である」というGoogleの考え方に基づいたアルゴリズムで、被リンクの数などに基づいてPR0~PR10の11段階でスコアリングするWebページの評価方法です。
そのため、「いかに被リンクを集めるか」にサイト運営者の関心が集められ、SEO業者を通してリンクを購入する行為も見られるようになりました。
<PageRankの判断基準>
- 多くのページからリンクされているページは重要なページ
- 被リンクが多いサイトからのリンクは質の高いリンク
<PageRankを意識したSEO>
- 相互リンクを依頼する
- SEO業者を通してリンクを購入する
- ディレクトリ登録サービスへ登録する
- サテライトサイトを作成し、相互リンクを貼る
2011年 Google「パンダアップデート」の実施
2010年にYahoo! JAPANがGoogleの検索エンジンを再度採用し、国内におけるSEOはGoogle検索エンジンへの対策に一本化されましたが、それまでYahoo! JAPANが採用していた自社開発エンジン「YST」は、比較的攻略がしやすく内容の薄いサイトやコピーコンテンツなどが多く存在していました。
そのような状況に手を打つべくGoogleは「パンダアップデート」と呼ばれる「品質の低いコンテンツを持つサイトのランキングを下げ、良質なコンテンツを持つサイトを適切に評価する」アルゴリズムを導入します。
これにより「コンテンツの質」が重要視され、質の低いサイトやWebページは検索結果への上位表示が難しくなりました。
<低評価とみなされる例>
- 独自性や専門性が低い
- 広告の占める割合が多く独自コンテンツの割合が低い
- 内容が乏しく、薄っぺらい
- サイト内の他のページと共通する部分が大半
- 他サイトと内容が重複している
2012年 Google「ペンギンアップデート」の実施
2012年に入り、意図的なSEOに対するGoogleの取り締まりは加速します。「ペンギンアップデート」の実施です。
ペンギンアップデートとは、スパム行為や、ウェブマスター向けガイドラインに著しく違反しているページの掲載順位を下げるアルゴリズムで、主に作為的な被リンクを扱っているサイトやWebページに対してペナルティを課すものです。
これにより、かつて評価要因として影響を与えていた「PageRank」に対する意識は薄れ、被リンクの数ではなく質を求めるようになります。
<低評価・違反とみなられる例>
- PageRank の転送を目的として売買したリンク
- 過剰なリンク交換(相互リンク)
- アンカーテキストに、不自然にキーワードを詰め込んだリンク
- 質の低いディレクトリサイトや、リンク集からのリンク
- 自動化されたプログラムやサービス(自動相互リンクシステムなど)を使用して集めたモノ
2015年 Google「モバイルフレンドリーアップデート」の実施
Googleはスマートフォンの爆発的な普及に伴い、Webサイトのスマートフォンにおけるユーザエクスペリエンスの向上を重要視するようになります。そして実施されたのが「モバイルフレンドリーアップデート」です。
モバイルフレンドリーアップデートは、モバイル対応しているWebサイトは、モバイル端末での検索結果において優遇されるアルゴリズムです。Googleが提供するモバイルフレンドリーテスト を使用することで、自分のWebサイトがモバイルフレンドリーに対応しているかを調べることができます。
参考:モバイル フレンドリー アップデートを開始します
(Googleウェブマスター向け公式ブログ 2015/4/21)
Googleの考え方から読み取るSEOの本質
ここまで解説させていただいたように、1990年代後半からロボット型検索エンジンが主流になり、SEO(検索エンジン最適化)へのニーズは高まり、規模は異なれど多くのWebサイトがSEOに取り組んできました。
SEO = 検索エンジンに評価されやすいWebサイトに最適化して検索結果の上位ヒットを狙う手法
としてこれまで定着してきましたが、パンダアップデート・ペンギンアップデート・モバイルフレンドリーアップデートを経た今、サイト運営者が目を向ける先は、検索エンジンではなく「検索ユーザー = ユーザーファースト」です。
これは、Googleの理念とも共通します。
さいごに ~これからの検索エンジンマーケティング~
アルゴリズムの進化により過去に通用していた小手先のテクニックは通用しなくなり、ブラックハットSEOとしてペナルティを科せられる危険性を持つようになりました。
SEOの本質で述べたように、検索エンジンマーケティングにおいて私たちWeb制作会社やサイト運営者が再認識しなければならないことは、
- ユーザーが求めている情報または、ユーザーとって有益な情報を掲載すること。
- ユーザーにとって分かりやすく、使いやすいよう最適化すること。
だといえます。
ユーザーに評価・支持されるWebサイトこそが、検索エンジンにも評価・支持されるのです。
この記事を書いた人
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印刷会社の営業を経て、2008年にアーティスへ入社。webディレクターとして多くの大学・病院・企業のwebサイト構築・コンサルティングに携わる。2018年より事業開発部として新規サービスの企画立案・マーケティング・UI設計・開発に従事している。
資格:Google広告認定資格・Yahoo!プロモーション広告プロフェッショナル
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